Vタイトニング(インティマレーザー)
膣のゆるみを解消する機器として、Vタイトニングレーザー(インティマレーザー)を紹介されることがあります。専用のアプリケーターを使い、メスによる切開なしで受けられる治療です。どのような機器で、どのような治療を行うのか具体的に解説していきます。
※こちらの記事は当サイト運営のヘルスケア編集部が執筆したものです。当サイト監修の満行みどり医師による査収は含まれておりませんことをご了承くださいませ。
Vタイトニングレーザー(インティマレーザー)とは
Vタイトニングレーザーは年齢を重ねる、または出産を経験することによって生じた膣のゆるみを改善する機器で、インティマレーザーとも呼ばれています。
レーザーによって膣の粘膜に熱を与えて膣を収縮。この刺激によりコラーゲンを増加させ、緩んだ膣の縮小へと向かわせます。閉経後の膣内であれば、性交痛の改善も期待ができる治療法です。
レーザーを照射するのは膣の内奥部から開口部、小陰唇の部分。レーザーを照射した部分は膣の組織に変化が起こり、コラーゲンの繊維を造り出します。すると膣内のコラーゲンが増え、膣内の圧が増加した状態に。これにより膣内に潤いができ、性交痛からの痛み軽減につながります。
Vタイトニングレーザー(インティマレーザー)の特徴
膣の引き締め効果が高い
Vタイトニングレーザー(インティマレーザー)は膣の奥に機器を直接挿入して使用します。そうすることで膣の奥まで熱エネルギーを届けることができます。
これまで膣縮小に使用されていた治療では膣内部の処女膜に近い部分に照射する方法が一般的でしたが、Vタイトニングレーザー(インティマレーザー)はさらにその奥、そして小陰唇までと幅広く照射できるのが特徴です。これにより引き締め効果が高まるとされています。
痛くなくてダウンタイムも短期間
Vタイトニングによる膣縮小は痛みが少なく、ダウンタイムも短く済むのが特徴です。レーザーを使った膣縮小治療はほかにも複数ありましたが、ほとんどが膣粘膜の表面を故意に傷つける方法だったため、痛みを伴うことがほとんどでした。
Vタイトニングレーザーは熱粘膜に熱エネルギーを照射する治療法なので、レーザーによって傷をつけることがありません。そのため痛みが少なく、ダウンタイムが少ないというわけなのです。ダウンタイムも少ないため、日常生活への復帰も短い期間でできます。
膣の黒ずみも解消できる
1回の治療による持続期間はおよそ1年。2回目の照射では2~2年半と、照射する回数が多いほど持続時間が長くなる傾向にあるのもVタイトニングレーザー(インティマレーザー)による治療の特徴といえるでしょう。レーザーによる治療との相性によっては、効果が3年以上持続する方もいます。
監修医・満行みどり先生の見解
Vタイトニングレーザー(インティマレーザー)は膣組織内のコラーゲン繊維を造成し、コラーゲンの密度をUPさせる治療です。膣のうるおい不足による性交痛の緩和に効果的で、膣粘膜のうるおいと膣周りの柔軟性を取り戻して、膣内はもちろん入口付近の痛みも解消できます。
比較的ポピュラーな膣ケア治療・ビビーブは、閉経後の女性には適していませんが、こちらのVタイトニングレーザー(インティマレーザー)はすべての年代の方が受けられます。「子宮内膜症などの病気がないのに性交痛に悩まされている、閉経前後の年齢の女性」には、こちらの施術をおすすめすることが多いですね。
また、Vタイトニングレーザー(インティマレーザー)とヒアルロン酸注射を組み合わせたり、ヴィーナスハイフを組み合わせたりするのも◎です。また、ホルモン療法との併用も問題ありません。症状や膣の状態によってベストな治療法は異なりますので、ぜひ一度相談にいらしていただけたらと思います。
Vタイトニングレーザー(インティマレーザー)の基本情報・施術について
治療のメカニズム
Vタイトニングレーザー(インティマレーザー)で使用するのはYAGレーザーの機器で、エルビウムレーザーを照射していきます。エルビウムレーザーのみだと局所にしか照射できないため、膣縮小用のアプリケーターを取り付けたうえで照射します。
レーザーによって熱を与えられた部分は細胞の再構築を行い、コラーゲンを造成。この結果膣内に圧が生まれ、膣の縮小につながります。閉経後の方であれば、性交時の痛み改善に効果を発揮するといわれています。
治療費の目安
治療費はクリニックが設定している料金によって異なりますが、治療1回目の料金の場合は80,000~198,000円が目安となっています。
施術のリスクについて
施術当日から日常生活への影響はありません。まれに、オリモノの増加やむくみ、尿失禁などが生じることがありますが、一時的なものですので、心配ありません。術後の痛み・出血や施術による副作用といったリスクはほとんど考えられず、Vタイトニングレーザーを使った治療が進んでいる欧米でも、重篤な合併症・事故の報告は0件となっています。
また当サイトを監修してくださった満行みどり先生が院長を務める「みどり美容クリニック・広尾」では1,500件以上のVタイトニングレーザーの臨床実績がありますが、現時点での副作用の報告はないそうです(2019年8月時点)。
Vタイトニングレーザー(インティマレーザー)の施術のながれ
一般的なVタイトニングレーザー(インティマレーザー)の施術のながれを紹介します。クリニックによって施術のながれが異なることもありますが、参考程度に確認してみてください。
1.カウンセリング
まずはカウンセリングをおこない、悩んでいる症状や疑問などについて詳しく話します。
2.医師による診察
医師による診察をおこない、治療方法や流れ、注意点などについての説明を受けます。治療費用やダウンタイムなどの気になる点もしっかり確認しておきましょう。
3.施術前の麻酔
治療内容などに納得できたら、同意書にサインをして施術の準備をします。膣内に麻酔を塗布し、15~20分ほど待って麻酔が効いてから照射をおこないます。
4.照射
専用のハンドピースを用いて照射をおこないます。ハンドピースは360度回転でき、あらゆる方向への照射が可能。膣内に挿入したハンドピースを少しずつ抜きながら照射していき、3方向にそれぞれ1回ずつ照射します。これを3回繰り返して膣内の照射は終了です。
その後膣口や小陰唇に2~3回ほど重ねて照射をおこない、15~20分ほどですべての照射が完了です。なお、尿漏れ改善の場合は尿漏れ改善用のハンドピースを用い、照射をする方向や回数が異なります。
5.終了後
ダウンタイムはほとんどありませんが、施術後はおりものが少し増えることがあります。性交渉に関しては、3日ほどは控えなくてはなりません。また、1~2か月おきに1~3回の照射で効果を実感しやすくなります。
Vタイトニングレーザー(インティマレーザー)とそのほかの治療法比較
サーミVaとの違い
サーミVaは高周波を照射し、膣口~膣奥までの緩みやたるみを改善する方法です。40~45℃の熱エネルギーを真皮層まで届け、コラーゲン生成を促します。
一方、インティマレーザーはロングパルスエルビウムヤグレーザーで膣の最深部にまで50~60℃の熱エネルギーを粘膜固有層に届けます。 膣のゆるみ改善ならサーミVa、性交痛の改善目的ならインティマレーザーを検討したほうがよいでしょう。
ビビーブとの違い
ビビーブは高周波を真皮層までに照射する治療方法です。40~45℃の熱エネルギーを届け、コラーゲンの生成を促します。
また、ビビーブが得意とするのは膣入り口周辺の引き締めです。コラーゲンの生成促進による潤いアップには期待できますが、性交痛を大きく改善することはできません。性交痛の緩和にはインティマレーザーのほうが適しているケースが多いようです。
モナリザタッチとの違い
モナリザタッチはCO2フラクショナルレーザーを用いた治療方法です。インティマレーザーのように萎縮性膣炎による性交痛の改善に効果的ですが、インティマレーザーとちがい、皮ふの浅い層にしかエネルギーが届きません。一方で、インティマレーザーは粘膜固有層にまでエネルギーを届けることができます。
ヴィーナスハイフとの違い
ヴィーナスハイフは超音波を筋層にまで照射するため、肌の深部まで熱エネルギーを届けることができます。温度も65~70℃と高く、インティマレーザーよりもより高温で深部まで照射できるのが特徴です。
ただ性交痛の緩和より、膣のゆるみ改善に用いられることがほとんど。どちらが適しているかは婦人科治療に長けた医師に相談したほうがよいでしょう。
監修
満行(みつゆき)みどり先生
女性器治療に特化した医師

みどり美容
クリニック・広尾
満行みどり先生
満行みどり先生は女性器治療に特化した「みどり美容クリニック・広尾」の院長。
ビバリーヒルズの専門トレーニング施設でライセンスを取得した日本人女性初の医師でもあり、デリケートゾーンの悩みを抱える患者さんに適切な治療を提供したいと日々尽力されています。