膣の洗いすぎが性交痛につながる?

※こちらの記事は当サイト運営のヘルスケア編集部が執筆したものです。当サイト監修の満行みどり医師による査収は含まれておりませんことをご了承くださいませ。

洗いすぎると膣の乾燥につながる

市販のボディソープや洗顔ソープなどでデリケートゾーンをゴシゴシと洗いすぎるのは、性交痛につながる可能性があるので控えなければなりません。デリケートゾーンは敏感な部位なので、刺激を与えないようにやさしく洗うのが正しい洗浄方法だと言われています。

とはいえ、デリケートゾーンの洗浄知識は誰かが教えてくれるわけではありません。そのため、女性の多くは間違った知識からデリケートゾーンを洗いすぎる傾向にあるようです。

たとえデリケートゾーンに違和感やかゆみがあったとしても、かゆみの原因を探ることが大切でしょう。以下ではかゆみにつながる原因を紹介してきます。

洗いすぎてしまう理由とは?

膣を洗いすぎてしまう原因として、「よく洗うことが清潔を保つことに繋がる」という誤った知識の浸透が考えられます。

丁寧に洗うことに清潔なイメージを持つ人は多いかもしれませんが、デリケートゾーンの洗いすぎは乾燥やかゆみ、痛みなどの原因になるのです。

デリケートゾーンにかゆみがある場合でも、よく洗うことで対処するのではなく、まずは原因を考えることからはじめましょう。

下着の摩擦

下着に含まれる化学繊維には、デリケートゾーンに刺激を与える可能性があります。とくに肌が敏感な方は、化学繊維による刺激に皮膚が敏感に反応し、かゆみが生じたりかぶれたりすることがあるでしょう。

締め付けすぎる下着や体にぴったりと合うようなパンツなどを日常的に身につけるのを控えるようにするだけでも、デリケートゾーンが受ける摩擦の影響を軽減することができます。

また、通気性の優れた下着を選んだり、ストッキングやタイツの着用を避けたりすることも効果的です。

生理用品の摩擦やかぶれ

生理用品によって起こるデリケートゾーンの蒸れを放置すると、細菌の増殖につながります。生理用品はデリケートゾーンを湿気でふやけた状態にするので、角質層のバリア機能が低下しやすいのです。この環境の中にあるデリケートゾーンは、カンジダや細菌性膣炎などを発症しやすくなるでしょう。細菌が増えることでニオイも出やすくなります。

デリケートゾーンが群れて細菌が繁殖しやすい状態にしないためにも、肌が受ける負担を少なくすることが重要です。生理用品が密着した状態が長く続くと蒸れを引き起こす原因になるので、こまめに取り換えるようにしましょう。

おりものの刺激

デリケートゾーンにおりものがついた状態を長い間そのままにしておくと、雑菌が繁殖しやすくなります。すると雑菌によって皮膚がかぶれやすくなってしまうのです。

かぶれを起こさないためにも、同じおりものシートをつけっぱなしにするのはやめましょう。1日3回の交換が目安です。

体調の変化

膣内の状態は体調の変化によっても変化していくものです。膣内には自浄作用を持つ常在菌が存在するのですが、疲れやストレスなどによって常在菌が持つ抵抗力が低下してしまいます。そのうえ年齢を重ねることによっても常在菌の抵抗力が低下してしまうのです。

常在菌の力が弱まって乾燥し、傷つきやすくなった膣は少しの量の汗にも反応してしまいます。皮膚の乾燥に刺激が加わると、かゆみを生み出す原因となります。

皮膚の乾燥を防ぐためにも、デリケートゾーンの保湿をこまめに行いましょう。

ひどいかゆみは病気の可能性も

デリケートゾーンにかゆみが生じる要因には、さまざまなものが考えられます。

しかしあまりにかゆみがひどかったり、長期間治らなかったりする場合は、病気である可能性が高いと考えてよいでしょう。かゆみを放置しておくと、デリケートゾーンの状態が悪化し、病気に繋がることがあるのです。

こちらでは、かゆみが原因となって生じる病気にはどのようなものがあるのかを紹介していきます。

クラミジア

クラミジアは性感染症の一種で、1回の性行為で感染する確率は30~50%といわれています。精液や膣の分泌液、粘膜などに生息しているクラミジアが接触することで感染していきます。

性器同士の接触以外でも感染する可能性が高いので、注意が必要です。同じ飲み物の回し飲みやキス程度の接触で感染する可能性は低いといわれています。

カンジダ

カンジダはカンジダ膣炎とも呼ばれる性病で、カンジダ菌によって引き起こされる膣炎です。カンジダ菌は膣内をはじめ人間の皮膚の表面にも存在する菌ですが、風邪をひくなどして免疫力が落ちた場合に膣炎が起こる可能性が高くなります。

カンジダ膣炎を発症すると膣におりものの色が変わったり、粘り気が出てきたりします。また、膣にもかゆみが出てきます。カンジダによる炎症は珍しいものではありません。しかし、炎症が起きるとほかの病気を併発するおそれがあるので、カンジダ膣炎と思われる症状がみられる場合は早めの治療が大事です。

トリコモナス

強い悪臭が生じたり、泡立ったおりものが出たりするトリコモナス。トリコモナスは腟炎の一種であり、性行為によって感染するのが一般的です。性行為だけでなく、タオルの使い回しや大衆浴場、トイレ便座から感染するケースもあります。

トリコモナスの予防には、性交時にコンドームを使用することや、肌に触れるものの使い回し避け、身辺を清潔に保つことなどが有効的です。

淋病

黄色や黄緑がかった膿のようなおりものが出るのが淋病の特徴です。おりものが白っぽくなる、または悪臭を伴うケースがあります。

性感染症の一つであり、下腹部の痛みや骨盤の痛み、発熱などが主な症状として知られています。不正出血が起こるケースもあるようです。

ヘルペス

単純ヘルペスウイルスによって起こるのが性器ヘルペスです。感染すると性器と肛門にかゆみが生じます。その後は痛みとともに水ぶくれが出てきます。この水ぶくれが破れると激しい痛みとなり、歩くことが困難になることもあります。

一般的には唇周りの粘膜に出てくることがほとんどですが、まれに膣に出てくることがあるのです。ストレスや過労によって出てくることもありますが、性交渉をきっかけにヘルペスが発生することもあります。

「病気かな?」と思ったら早めの受診を

膣の痛みは洗いすぎのほかに病気が原因となっていることもあるため、膣の状態がいつもと違うと感じたら早めの受診をおすすめします。

おりものの量と質は体調や性周期によって変化する場合もありますが、「病気かな?」と性感染症を疑う指標にもなるのです。

膣に異常を感じた場合は放置せず早めに対応するようにしましょう。

デリケートゾーンの正しい洗い方

デリケートゾーンの正しい洗い方を知っておくのは、性交痛を防ぐのに役立ちます。洗い方として1番大切なのは、刺激の強い石鹼を使わないことです。デリケートゾーンはただでさえ刺激に弱い部分。そのため刺激の強い石鹸や薬用石鹼を使うと、ヒリヒリと痛む可能性があります。刺激のすくない石鹸やデリケートゾーン専用の石鹼を使うようにしましょう。

洗い方の手順は、まずは普段と同じ温度設定のシャワーで優しく流してください。そしてたっぷりの泡で、粘膜を傷付けないように、爪を立てず、指の腹で撫でるように洗いましょう。ゴシゴシと強く洗ってしまうと、傷がついたり炎症の原因になったりします。また、洗う範囲は外陰部まで。膣内は自浄作用があるため洗う必要はありません。

おすすめのデリケートゾーン専用石鹸

スウィートボディ デリケートウォッシュ/140ml・900円

繊細なふわもこ泡に、カキタンニンやプラセンタなどの美容成分を配合した、弱酸性でデリケートゾーンにも優しい専用石鹼です。pH値バランスをコントロールしながら、ニオイや乾燥による黒ずみにアプローチ。また、刺激の弱いアミノ酸由来の洗浄成分のみを使用しており、肌に負担をかけずに洗浄・保湿ができます。

スウィートボディ デリケートウォッシュを使用する際は、適量を手に取り、マッサージするように優しく洗います。そして、石鹼が残らないよう丁寧に洗い流しましょう。全身にも使えるのがうれしいポイント。ピュアシャボンの香りが、全身を優しく包み込んでくれるでしょう。価格は140mlで900円(税別)と、お手頃です。

ラヴエル デリケートケアソープ/100g・1,600円

コールドプロセス製法で作られた、無添加の自然派石鹸です。液体石鹸にはどうしても防腐剤が必要となりますが、こちらは無添加にこだわり、防腐剤を使用せずに済む固形タイプを採用したそう。また、ラヴエル デリケートケアソープの最大の特徴は、1つひとつが手作りされているというところです。石けん素地の製造から、切断、梱包に至るまですべて手作業で行われています。

植物由来の成分がデリケートゾーンを優しく洗ってくれるだけでなく、天然保湿成分が乾燥も防いでくれるでしょう。香料も使っていないため、自然由来の柔らかな香りが楽しめます。価格は100gで1,600円で、泡立てネット付き。よく泡立ててから、デリケートゾーンを泡で包み込むように洗ってくださいね。

ジャムウ・ハーバルソープ/1個・2,126円

ジャムウ・ハーバルソープは化学添加物を配合せず、厳選されたジャムウハーブを独自のブレンド方法で配合しています。肌を乾燥から守るヤシ油やアロエベラ、肌荒れを予防するカミツレ油などが配合されています。デリケートゾーンだけでなく、ワキやバストへの使用もおすすめです。

一般的にデリケートゾーンを洗うときは、長時間石鹼を乗せておくのは良くないとされています。しかし、このジャムウ・ハーバルソープは気になる部分にたっぷりの泡を乗せ、3分ほど置いてから洗い流すのがベストな使い方なんだそう。価格は1個2,126円(税込)。香料は使っていないので、天然成分ならではの優しい香りがします。

ウルラ ボディソープ/200ml・2,630円

産婦人科医監修のもと成分を吟味してつくられており、かゆみの原因となる肌荒れや乾燥を防ぐのに効果的なソープです。生理時の不快感や、おりものや気になる臭いの原因となる汚れをきれいに洗い流してくれます。香りは上質なホワイトフローラルの精油を使用。洗い流した後、肌がしっとり潤うのを感じられるでしょう。

ジェルタイプのソープなので、しっかりと泡立ててから気になる部分にのせて、指の腹で優しく洗うようにしてください。成分機能をより高めるためには、原液をあまり薄めず使用するのがポイントです。価格は1本あたり2,630円(税込)。容量はたっぷり200mlで、デリケートゾーンだけなら約半年も使えます。

サマーズイブ フェミニンウォッシュ/237ml・800円

デリケートな肌のコンディションを整える、センシティブスキンタイプのボディウォッシュです。デリケートゾーンのphに合わせた弱酸性設計で、敏感肌の人でも安心して使える石鹸を目指して、乳酸と整肌成分を配合しています。香りはフローラルの香りがほのかに漂う程度で、匂い残りもしません。

従来のデリケートゾーン石鹼との洗い方の違いは、ぬるま湯を使うところです。刺激に敏感な部分なので、いつもよりもぬるめのお湯で流すことを心掛けましょう。内容量は237mlと大容量サイズながら、価格は800円(税抜)と非常にリーズナブルです。

監修

満行(みつゆき)みどり先生

女性器治療に特化した医師

満行みどり医師

みどり美容
クリニック・広尾
満行みどり先生

満行みどり先生は女性器治療に特化した「みどり美容クリニック・広尾」の院長
ビバリーヒルズの専門トレーニング施設でライセンスを取得した日本人女性初の医師でもあり、デリケートゾーンの悩みを抱える患者さんに適切な治療を提供したいと日々尽力されています。

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