Case4:久しぶりのセックスが痛い!

以前はそんなことなかったのに、久しぶりにセックスしたら痛い…。そんなお悩みを抱えている女性は、意外と多いようです。

久しぶりのセックスでアソコが痛むのは、しばらくシていなかったから体が慣れていないだけなのか、はたまた性交痛によるものなのか。婦人科形成を専門とする女性医師・満行みどり先生監修のもと、痛みの原因と対処法を解説しています。

久しぶりのセックスの痛みに
悩む女性たちのリアルな声

久しぶりにSEXしたらひどい性交痛がありました。シていなかった期間は5~6年ぐらいだと思います。性交痛は寒気を感じるほどで、冷や汗も出てきました。久しぶりのSEXだから痛い、っていうのは理由としてあるんでしょうか?原因が分からず、思い当たることと言えばそれぐらいです。

2年ぶりにセックスをしたところ、終わった後にアソコにジンジンとした痛みがありました。翌日も座ったときは痛かったんですが、それ以外はとくに問題なかったので気にしていませんでした。でも4日経っても治らなくて、むしろ悪化している気がします。痛みの種類がジンジンからヒリヒリに変わってきて、座ってなくても痛むようになりました。腫れやかゆみはありませんし、おりものも普通です。痛みは自然と治るものでしょうか。

最近新しいパートナーができて、久しぶりにセックスするようになりました。でも挿入が痛くて困っています。相手に痛いことは伝えているので優しくしてくれますし、私も行為自体嫌いではないので頑張って最後までしていますが、気持ちいいと感じたことは一度もありません。行為が終わってアソコを見ると、ちょっと裂けてしまったみたいでした。性交痛があるのは私の経験不足が原因なんでしょうか。彼にも申し訳ないのでどうにか改善したい、と思っています。

この前、久しぶりに性行為をしました。それから、何とも言えない痛みが続いています。子宮とか膀胱あたりに違和感があって、ちょっとした尿意のようだったり、ときには重苦しく感じたりして不安です。もともと経験が少ないうえ、久しぶりの性行為だったからかなと考えていますが、病気だったらと思うと不安で仕方ありません。婦人科にも行きましたが、はっきりとした原因は分かりませんでした。

久しぶりのセックスが痛い
3つの主な原因

セックスをしていない期間が長い人ほど、痛みを感じる確率が高まります。その原因としては、主に次のようなことが考えられます。

1.前戯が足りない

挿入前の慣らし、つまり前戯が不十分だと、愛液などと呼ばれる膣分泌液が十分に出ず、粘膜同士の摩擦に痛みを感じることがあります。

主な対処法

すぐに挿入するのではなく、ムード作りも兼ねて、お互いの体を触り合うなど慣らす(前戯する)時間を作りましょう。体がリラックスすると潤滑の役割をもつ膣分泌液が十分に分泌されて、摩擦による痛みを防げます。

ただし、膣分泌液の分泌量は個人差があるものです。前戯を増やしても膣分泌液の分泌量が増えない場合は、市販されている潤滑剤を利用して潤いを足してあげると良いでしょう。

2.不安や緊張が強い

セックス自体が久しぶりだと、緊張や不安から女性側の体に余分な力が入ってしまいます。すると膣にも余計な力が入りキュッと縮こまってしまうため、痛みが生じるのです。

主な対処法

恥ずかしがらずに「久々だからちょっと不安かも…」と、正直な気持ちをパートナーに打ち明けてみてください。お互い肩の力を抜いて、リラックスした状態でセックスを楽しむのがベストです。

3.萎縮性膣炎(いしゅくせいちつえん)

閉経前後に起こりやすい症状で、40代後半から50代以降の女性に多く見られます。

閉経や更年期の影響で女性ホルモン(エストロゲン)が少なくなると、膣粘膜の萎縮や分泌液の減少が起こり、性交痛や摩擦による灼熱感が発生するのです。

主な対処法

女性ホルモンを増やすホルモン治療や、女性器に直接的に働きかけるマシンを使う方法などが挙げられます。

満行みどり先生のアドバイス

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ゆっくり慣らしましょう。痛みが続くなら医師に相談を。

久しぶりのセックスで痛みを感じる理由は、受け入れる女性器が久々の行為に慣れていないことがほとんど。そのため、焦らずゆっくり前戯の時間をとれば、徐々に心と体がほぐれてゆき、膣分泌液も十分に分泌されて、摩擦の痛みも軽減するはずです。

ただ、中にはそもそも膣分泌液の量が少ない体質の方もいらっしゃいます。その際は、ドラッグストアなどで手軽に買える潤滑剤(潤滑ゼリーなど)を利用すると良いでしょう。

前戯や潤滑剤で痛みが引かない場合は、生まれつき膣が硬くて狭い「萎縮性膣炎(いしゅくせいちつえん)」の可能性も考えられるため、専門のクリニックを受診してみてください。ホルモン補充療法やマシンを使って直接膣内コラーゲンを増やす治療などを受けられます。

編集部のヒトコト

久しぶりのセックスにパートナーが盛り上がっている場合、心の中で「痛い!やめて!」と思っていても、雰囲気に水を差したくなくてついガマンしてしまう女性は多いようです。痛みから解放されて、パートナーと一緒にセックスの快感を楽しめるように、ご紹介させていただいた解決策を試してみてください。

監修

満行(みつゆき)みどり先生

女性器治療に特化した医師

満行みどり医師

みどり美容
クリニック・広尾
満行みどり先生

満行みどり先生は女性器治療に特化した「みどり美容クリニック・広尾」の院長
ビバリーヒルズの専門トレーニング施設でライセンスを取得した日本人女性初の医師でもあり、デリケートゾーンの悩みを抱える患者さんに適切な治療を提供したいと日々尽力されています。

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