シェーグレン症候群とセックスの痛みとの関係性

※こちらの記事は当サイト運営のヘルスケア編集部が執筆したものです。当サイト監修の満行みどり医師による査収は含まれておりませんことをご了承くださいませ。

シェーグレン症候群

膣の潤いがなくなり、性交痛につながる原因としてシェーグレン症候群が考えられます。シェーグレン症候群は放置しておくと膣の萎縮などに繋がる病気です。そのような事態にならないためにも、以下で正しい知識を身につけましょう。

シェーグレン症候群とは

シェーグレン症候群は、涙や唾液などを作っている涙腺、唾液腺といった外分泌腺に炎症が生じる自己免疫性疾患です。涙と唾液の分泌が低下するため、乾燥症状が出てきます。

女性が発症する確率が高く、年齢は50代が最も発症しやすいといわれていますが、子どもからお年寄りまで幅広い年齢層が発症すると考えてよいでしょう。

シェーグレン症候群には、原発性シェーグレン症候群という単独で発症するものと、二次性シェーグレン症候群という、ほかの膠原病に合併して発病するものがあります。二次性シェーグレン症候群の場合、関節リウマチや全身性エリテマトーデス、強皮症、多発性筋炎・皮膚筋炎などと同時に起こりやすくなるのが特徴です。

シェーグレン症候群の症状

腺症状と腺外症状の2種類に大きく分けられるシェーグレン症候群の症状とはどのようなものでしょうか?

腺症状

腺症状とは涙腺や唾液腺などの分泌腺に異変が起きる症状です。膣にもバルトリン腺という、膣内を潤わせるための分泌腺があります。

シェーグレン症候群が進行すると膣が乾燥して性交痛を引き起こすことになるのです。また正常細菌叢(せいじょうさいきんそう)にも影響を与えるため、膣炎を発症する可能性も高くなります。

腺症状は体全体に現れる場合が多いので、「膣内の潤いが足りなくなってきた」と感じた際は、涙腺や唾液腺などにも変化がないか確認してみましょう。

涙腺が影響を受けている場合はドライアイになっている可能性が大。唾液腺が影響を受けている場合は口内の乾燥(ドライマウス)が考えられます。食事中に水分を多く摂っている、乾燥した食べ物が食べづらいといった場合は腺症状が影響を受けていると考えて良いでしょう。

腺外症状

唾液腺や涙腺などのほか、臓器にも現れる症状を腺外症状といいます。

全身のだるさ、関節の痛みといった全身症状から間質性肺炎、腎炎、神経症状といった目に見える症状が多くなります。紫斑(内出血で現れるような斑点)、紅斑が出るのもシェーグレン症候群の特徴の一つです。

膣内の潤いが気になった段階でこのような症状が出ている場合は、シェーグレン症候群かどうか確認しましょう。

主な治療方法

腺症状なのか腺外症状なのかによって、適切な治療法が変わってきます。

腺症状の治療法

腺症状の治療は、どこで乾燥が始まっているかによって治療してもらう医療機関が変わります。

涙腺が影響を受けている場合は眼科へ、唾液腺の場合は口腔外科へ、膣内が影響を受けている場合は婦人科と、それぞれの治療を専門としている医療機関で処置をしてもらわなければなりません。

腺外症状の治療法

腺外症状の症状に対しては、それぞれの臓器の症状に応じた治療が選択されます。

普段の生活を送るうえで気を付けること

シェーグレン症候群と診断された場合は、症状が出ている部分に合わせた治療が必要です。

膣内の渇きがなぜ起きるのかわからないといった場合、治療に前向きになれない方も多い症状でもあります。

しかし、自分に起きている症状の原因がわかることで快方に向かう方が多いことも事実です。

こちらではシェーグレン症候群を治療しつつ普段の生活を送るうえで気を付けるべきことをまとめました。

セックスの際は膣内に潤いをプラスする

シェーグレン症候群の場合、膣内の分泌液が減少することで性交痛が起こりやすくなります。セックスの際にはローションや潤滑剤を使用して、痛みを軽減しましょう。

リューブゼリーやコールド・クリームなどの使用がおすすめです。ワセリンは炎症が起こりやすくなるのでできるだけ使用を控えましょう。

眼科・歯科は定期的に受診する

眼科・歯科は定期的に受診するようにしましょう。病気の早期発見につながります。

目を酷使しない

目の疲労は体のさまざまな不調につながります。スマホやパソコンは時間を決めて触るなど、目を酷使しないよう気を付けましょう。普段からパソコンなどのOA機器の使用を減らすよう心がけ、直射日光やエアコン、煙・埃の多い環境を避けることが大切です。

砂糖を含む食事を控える

砂糖を含む食事は体に悪影響です。虫歯や歯周病の予防するためにも、砂糖を含む食事をできるだけ減らした方が賢明でしょう。

刺激を含む食事を控える

乾燥食品や香辛料、アルコール飲料の摂取はできるだけ控え、バランスの取れた食事を摂るのはやはり大切です。

禁煙を控える

禁煙は極力控えましょう。口腔内環境を改善するにあたって禁煙は特に重要です。

常用している薬の服用は必ず確認を

口の渇きは普段飲んでいる薬の副作用からきている可能性もあるので、服用している薬がある場合は、主治医や薬剤師さんに尋ねてみましょう。

監修

満行(みつゆき)みどり先生

女性器治療に特化した医師

満行みどり医師

みどり美容
クリニック・広尾
満行みどり先生

満行みどり先生は女性器治療に特化した「みどり美容クリニック・広尾」の院長
ビバリーヒルズの専門トレーニング施設でライセンスを取得した日本人女性初の医師でもあり、デリケートゾーンの悩みを抱える患者さんに適切な治療を提供したいと日々尽力されています。

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