Case10:セックスのとき濡れない…痛い

「セックスのとき、愛撫されてもあまり濡れない」「イヤなわけじゃないのに、濡れないのはなぜ?」そんな悩みを抱えている女性は意外と多いもの。なかには「彼にあまり濡れてないねと言われて気まずくなった」という女性も。

また、濡れにくいために挿入時に痛みを感じるケースもあります。こちらでは膣が濡れにくい原因とセルフケアの方法をご紹介します。

セックスのとき濡れない…
悩む女性たちのリアルな声

産後に月1~2回のペースでセックスを始めましたが、痛くて痛くてたまりません。アソコが濡れていないことが分かったので、ローションや潤滑ゼリーなどを使ってみましたが、とくに変化はありませんでした。まったくと言って良いほど濡れないので、指ですらピリピリとした痛みを感じます。主人は「出産で頑張ったばかりだし、しょうがないよ」と言ってくれますが、早くどうにかしたいです。

40代半ばになり、セックスで濡れにくくなりました。痛みのせいで性生活が苦痛に感じてしまって、暗い気持ちになります。パートナーは求めてきてくれるのに、それに応えられないと女性として駄目になったみたいで辛くなります。以前に補充療法をしたときは満足のいく効果がありましたが、副作用があったため中止しました。とりあえず漢方療法を試してみましたがイマイチです。

昔からエッチで濡れにくい体質で困っています。自分では快感を感じているつもりでも、ほとんど濡れません。過去に付き合っていた男性とは、この体質のせいで振られてしまったこともありました。今付き合っている彼は経験も豊富ですし、AVの見過ぎや愛撫がテキトー…ということもありません。でも、ローションがないと痛くてできないほど濡れないんです。胸が小さく、昔からPMSもあるので、女性ホルモンの分泌量が少ないのかと思っています。

付き合って半年以上経つ彼がいて、セックスも何度もしているんですが、未だに挿入すると痛いんです。彼に触ってもらうだけなら気持ちいいのにぜんぜん濡れません。ローションを使ってもすぐ乾いてしまってヒリヒリと痛むので、最近は彼からのお誘いを断ることもあります。私のせいなんですが、セックスレスになりかけていて困っています。

アソコが濡れない主な原因5つ

不十分な前戯・愛撫

アソコが濡れるのは、性的な興奮によるものです。そのため、前戯が不十分な状態では愛液が分泌されず、挿入しても摩擦が生じてしまってヒリヒリと痛んでしまいます。

また、指を激しく出し入れしたり強く擦ったりといった愛撫の仕方もNG。表面上は濡れていても、愛撫の最中に膣内に空気が入ってしまって乾きやすくなります。最初は濡れていたのに、挿れるときは…というケースはこちらを疑ってみてください。

緊張

ホルモンバランスの影響も考えられます。女性が濡れるのは、性的な刺激を受けた際に「オキシトシン」というホルモンが分泌されるため。でも、ホルモンバランスが乱れているとオキシトシンが分泌されず、濡れにくくなってしまいます。

緊張はホルモンバランスが崩れる要因。交感神経が必要以上高ぶり、自律神経が乱れ、ホルモンバランスにも影響を与えてしまいます。彼との初めてセックスや久しぶりのセックスの際に緊張で濡れにくくなってしまうのは、こういった理由なのです

寝不足・水分不足

寝不足といった不規則な生活も、自律神経を乱し、ホルモンバランスを崩れさせる要因です。ホルモンバランスが崩れていると、オキシトシンが上手く分泌されず、彼に触ってもらっているのに濡れない…といった状態になってしまいます。

また、水分不足もいけません。普段からきちんと水分をとっていないと血流が滞り、膣周辺の血管の流れも悪くなって濡れづらくなってしまいます。

更年期など加齢による乾燥

年齢を重ねるにつれて、膣は乾燥しがちになっていきます。これは更年期によるホルモンバランスの変化の影響。「エストロゲン」という女性ホルモンが減少し、膣のうるおいと弾力が不足してしまうのです。

うるおい不足による膣の乾燥や膣萎縮、ゆるみなどの症状も起こりがちに…。こちらはレーザーなどの手軽な治療で改善が期待できますので、気になる方は婦人科形成クリニックに相談してみましょう。

出産の影響

産後はホルモンバランスがいつもとは異なるため、オキシトシンが分泌されにくく、感度が落ちたり濡れにくかったりといったことが起こります。また、出産時に切開した会陰が切れてしまったら…といった不安や緊張も、濡れにくくなる原因。筋肉がこわばるので、痛みも生じやすくなります。

産後の感度低下やうるおい不足は、一時的なものであるケースが多く、基本的には時間がたてば回復します。もし産後しばらく経っても治らない場合は感染症や病気、または更年期の症状を疑い、婦人科形成クリニックに相談すると良いでしょう。

満行みどり先生のアドバイス

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年齢に関わらず、膣の乾燥やうるおい不足による性交痛の相談は多数寄せられます。女性にとっては、決して軽くはないお悩みですよね。

婦人科形成に相談にきてくれた女性におすすめすることが多いのはVタイトニング(インティマレーザー)による治療です。コラーゲンの生成を促進してくれるので、膣のうるおいや弾力性のアップ、また膣周りの柔軟性アップにも期待できます。

また膣全体がふっくらとするので、感度がアップし、性生活の満足度向上にも効果が。もちろん、乾燥からくる性交痛も緩和できます。

治療についてですが、私が院長を務める「みどり美容クリニック・広尾」では事前に麻酔クリームを塗布するので痛みはほとんど感じません。処置後はすぐに帰宅できますが、緊張などでお疲れの場合は回復室でお休みいただくことも可能です。治療効果は個人差があるものの、1度の施術で効果を実感される方も多く、また1回施術を受けるごとに性交痛はかなり緩和されていくかと思います。

性交痛に関する治療はほかにも多数用意しています。カウンセリング時に診察したうえで、ベストな施術を提案させていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。メールや電話での相談も歓迎しています。

今日からできる対策方法

パートナーと相談する

セックスは一人で行うものではありません。セックスに対する不満やお願いは、一人ではなかなか解決にいたらないものです。とりわけ前戯が不十分だったり愛撫の仕方に不満があったりする場合はパートナーに相談してみましょう。

どうしても相談しにくい場合は、彼とのセックス中にそれとなく「今の触り方がきもちいい」「もうちょっと触ってほしい」とお願いする感じで伝えてみるのがおすすめ。彼女が気持ちよくなるのがイヤな男性はいませんし、いつもより積極的なあなたの姿に喜んでくれるかもしれません。

日常生活を見直す

日常生活の積み重ねが体を作ります。そのため、性生活の満足度を高めるためには、日常生活を見直すことがとても重要な要素です。例えばストレスが溜まっていたり疲れていたりすると、ホルモンバランスが乱れて、濡れにくい状態をつくってしまいます。

バランスの良い食生活や適切な休息・睡眠など規則正しい生活を送ることは、ホルモンバランスを整えることに繋がります。濡れにくい原因が日常生活にないか、健康に良くない私生活になっていないか、改めて見直してみましょう。

編集部のヒトコト

セックスに対して濡れない、濡れにくいといった悩みを抱える女性は多いもの。だんだんと、性行為に対して後ろ向きになってしまうケースも珍しくありません。彼と相談したりセルフケアを試してみたり…それでもなかなか改善されない、または痛みの程度が酷いという場合は、婦人科形成クリニックで相談するのがベストです。

誰かに相談する勇気が持てない、そもそもクリニックで相談するほどのことか分からない…という場合は、まずはメールや電話で相談してみるのも良いでしょう。

監修

満行(みつゆき)みどり先生

女性器治療に特化した医師

満行みどり医師

みどり美容
クリニック・広尾
満行みどり先生

満行みどり先生は女性器治療に特化した「みどり美容クリニック・広尾」の院長
ビバリーヒルズの専門トレーニング施設でライセンスを取得した日本人女性初の医師でもあり、デリケートゾーンの悩みを抱える患者さんに適切な治療を提供したいと日々尽力されています。

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