性交痛とカンジダの関係性

※こちらの記事は当サイト運営のヘルスケア編集部が執筆したものです。当サイト監修の満行みどり医師による査収は含まれておりませんことをご了承くださいませ。

性交痛とカンジダの関係とは？

カンジダは性交痛を引き起こす原因ともなる性病です。体のどこにでもいる菌の一つですが、さまざまな原因がきっかけとなって菌が増殖し、さまざまな不調を引き起こします。

性交痛の原因ともなるカンジダについて詳しく見ていきましょう。

カンジダとは

カンジタとは、女性によく見られる性病の一つで、外陰部にかゆみが出たり、おりものがヨーグルト状になったりします。パートナーとの性行為によって感染することが最も多いとされていますが、原因となる菌自体は誰でも元から持っています。

発症するタイミングは人それぞれで、症状も人によってバラバラです。発症すると体にさまざまな症状が現れます。ほとんどが免疫力の低下によって発症すると言われており、自覚症状もほとんどなく気づきにくい病気として知られています。

カンジダの症状

性交痛

カンジタによって陰部が炎症を引き起こしていると、性交時に痛みが伴います。特に入り口部分周辺に痛みが生じやすく、放置しておくと子宮内膜炎など、膣内の深い部分の性交痛に繋がるため要注意です。

膣・外陰部のかゆみ

カンジタの症状として最もよく見られるのが、膣や外陰部のかゆみです。膣のカンジタは発症する可能性が高く、女性の5人に1人は経験したことがあるといわれています。膣周辺がかゆくなったり、刺激によって発疹ができたりするのが特徴です。

おりものの増加

おりものの量が増加する原因に、カンジタが関係していることがあります。特に白いおりものになることが多く、かゆみを伴う場合もあります。

おりものの質の変化

カンジタになると、おりものがヨーグルト状になります。サラサラしたおりものだけが出てくるのであればカンジタの心配はありませんが、塊が見られるようになったら注意が必要です。

外陰部や膣などの腫れ、発赤

カンジタの症状に気付かず放置していると、外陰部や膣などが腫れたり、赤い発疹が出来たりしてしまいます。カンジタは治療の出来る病気です。症状が悪化する前に、医師に診てもらいましょう。

カンジダになる原因とは

疲れやストレスなどによる免疫の低下

カンジタは性感染症であると同意に、日和見感染症でもあります。日和見感染症とは、免疫力が低下している人にかかりやすい感染症のことです。持病やストレスにより免疫力が低下していると、カンジタを発症する確率が高くなります。

抗生物質の使用

抗生物質には体内の細菌を殺す作用があります。この作用は病気を治療するうえで大切な作用なのですが、場合によっては常在菌を殺してしまうことがあるのです。体内に必要な菌が死んでしまうと、菌全体のバランスが崩れ、カンジタが繁殖しやすい環境になってしまいます。

頻繁な性行為

カンジタは誰でもなり得る病気ですが、性行為を通して知らないうちに感染していることがあります。女性はカンジタの症状が現れやすいので、感染に気付くことができますが、男性は症状が表われないため気付くことができません。男性と頻繁に性行為をすることは避けた方が良いでしょう。

ピルの使用

性行為前や生理のためなどにピルを使用すると、生理前によく似た体の状態になります。この体の状態は、カンジダが繁殖しやすい体になっているといわれています。

性感染症への感染

カンジタは性感染症であるため、性行為におけるあらゆるものが原因になります。セックスだけでなく、オーラルセックス、アナルセックスなど、女性の陰部に直接挿入していない場合であっても、感染の原因になります。

カンジダは再発しやすい

清潔さを保たないと再発しやすい

カンジタは菌が増殖しやすいので、一度発症すると再発しやすい病気です。カンジタを予防するためには、膣周辺をつねに清潔に保つことが欠かせません。

下着で蒸れてしまったり、生理中にナプキンやタンポンを長時間使用したりすると、菌の増殖に繋がってしまいます。菌が増殖する環境をできるだけ作らないように心がけましょう。

一方で清潔に保つことを意識するあまり、膣周辺を洗いすぎることも良くありません。必要な常在菌もいなくなってしまうので、やり過ぎには気を付けましょう。

妊娠時は特に注意が必要

妊娠中にカンジタに感染すると、胎児に直接の影響はありませが、症状が続くと赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があります。産まれてくるときに、赤ちゃんは産道を通るため、その過程でカンジタに感染してしまうのです。

赤ちゃんがカンジタに感染すると、生後7～10日ほどで鵞口瘡（がこうそう）と呼ばれる皮膚炎を発症することがあります。鵞口瘡を発症しなくても、おむつのかぶれがひどくなることもあります。

大抵は自然に治っていきますが、場合によっては治療薬が必要な場合もあります。妊娠しているときにカンジタに感染した場合は、放置せず、早めに治療してもらいましょう。

再発させないためには

治療後に再発させないためには、免疫力の低下を防ぐことが大切です。免疫力は生活習慣と密接に関係しているので、規則正しい生活を送ることが欠かせません。生活リズムが乱れないように、起床時間と就寝時間をできるだけ一定に保ち、バランスの良い食事を摂りましょう。

ストレスを溜め込むことも免疫力低下に繋がるので、適度な運動をしたり、好きなことをしたりして、定期的にストレスを発散することも大切です。また、女性は自律神経やホルモンバランスが乱れやすいので、体調が優れないときは無理せず休息を取りましょう。無理をすることは体にも心にも良くありません。

体を洗う石けんを刺激の少ないものに換え、やさしく洗うなど、膣周辺を触る際に気を配ることもおすすめです。