Case1:アソコの入り口が痛い!

性交痛とは、アソコの入口がヒリヒリしたり、しみるような痛みが生じたりする症状。

表立ってはいませんが、「痛くてセックスするのが怖い」「年齢のせいか気持ちよさを感じられなくなってしまった…」という悩みを抱えている女性は意外と多いものです。パートナーに悩みを打ち明けられず痛みに耐え続ければ、日常生活に支障が出るほど痛みが悪化するケースもあります。

ここでは、性交痛(主にアソコの入口の痛み)に悩まされている女性のリアルな声をご紹介。また、女性器の仕組みに精通している女性医師・満行(みつゆき)みどり先生監修のもと、性交痛を改善する方法も徹底解説しています。セックスの痛みから抜け出すための情報の1つとしてお役立てください。

アソコの入口の痛みに悩む
女性たちのリアルな声

最近セックスをするとすごく痛いんです。今まではそんなことほとんどなくて、たまに痛みを感じることはあっても、体調が悪いときぐらいでした。でもここ最近です…。彼のことは好きですし、求めてきてくれたら応えてあげたいと思うんですが、また痛みにたえなきゃいけないんだと思うと憂鬱になってしまいます。勇気を出して病院に行ったんですが、配慮のない男性医師にあたってしまって、「ヤリすぎだよ」と言われて不愉快な思いをしました。

彼と付き合ってだいたい1年ぐらい経ちました。でも、相手のものを挿れようとすると入口あたりが痛くて、いまだに最後までシたことがありません。恥ずかしい話ですが、お尻のあたりの皮ふが伸びて裂けそうな気がします。指なら大丈夫なので病気ではないと思うんですが、痛くてガマンできず、そのあとは1日ぐらい痛みが続きます。このまま最後までできなかったら…と思うと不安です。

セックスをすると膣の入口部分が痛むようになりました。彼とは付き合って3年ほど経過しており、今では同棲もはじめました。痛みが出だしたのは丁度同棲を始めた頃です。痛いのは入口部分のみで、ヒリヒリとした感じがします。何か傷ができてしまったのかと思ってしばらく間を空けて再挑戦してみましたが、痛いままでした。そのせいで、最近はセックスに前向きになれません。彼とは結婚も考えているので、早く対処法を見つけたいです。

何度試してみても挿入時に入口あたりが痛くなります。裂けてしまったのか、ときどき出血も。彼のアレが人より大きいみたいで、なかなか慣れません(そもそも慣れてくるものなのでしょうか…)。ローションを使ってみましたが、とくに効果はありませんでした。痛いと言ったらやめてくれるんですが、それでも翌日ぐらいまで痛みが続くので辛いです。

セックスで入り口が痛む5つの主な原因

セックスのときに膣の入り口が痛む場合、考えられる3つの原因をご紹介します。

1.うるおい不足

セックス中に膣の入り口あたりに痛みを感じる場合、主な原因として考えられるのは膣のうるおい不足です。

一言にうるおい不足と言っても、膣が乾燥してしまう要因はいくつかあります。たとえば愛撫不足や緊張、ストレス、また更年期を迎えている女性は女性ホルモンの分泌が減っていることも要因として考えられます。

膣のうるおいをUPさせるセルフケア

セルフケアでの改善を望むなら、まずはある程度の原因を突き止めなくてはなりません。

女性の体は非常にデリケートで、緊張や疲労といった要因で膣が濡れにくくなってしまいます。緊張して体がこわばってしまっている場合、また日頃の疲労やストレスが溜まっている場合は規則正しい生活と適切な休息をとり、そして性行為の前には彼との触れ合いだけを楽しむ時間をつくったりして、体がリラックスできる環境をつくりましょう。

また、彼の愛撫の仕方に問題がありそうならちゃんと向き合って相談してみましょう。潤滑ゼリーなどのアイテムに頼ってみるのもおすすめです。

膣のうるおいをUPさせる治療法

セルフケアよりも確実な効果を得たいなら、婦人科形成クリニックで受けられる性交痛治療を検討してみてください。たとえば「インティマレーザー」や「3Dタイトニング・4Dタイトニング」は膣粘膜にレーザーを照射してコラーゲンの生成を活性化させ、膣のうるおいをアップさせることができます。メスを使わないレーザー治療なので、気軽に受けられるのも魅力です。

そのほかにも感度を高める「 G-Shot(Gショット)」や膣のうるおいをアップさせるための注入系の治療など、さまざまな施術があります。どの治療法が適しているかは人それぞれ異なるので、まずは婦人科形成クリニックを受診して相談してみてくださいね。

2.萎縮性膣炎(いしゅくせいちつえん)

女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量が減り、膣粘膜が乾燥・萎縮して性交時に痛みを感じる症状です。

この原因が当てはまりやすいのは、更年期や閉経の影響によってエストロゲンが不足しがちな45~55歳頃の女性。例外として、生理不順がある女性やピルを長期内服している女性は、20~30代でも症状が現れる場合があります。

主な治療法

潤いを補充する潤滑剤や、女性ホルモンの分泌を促進する内服薬・膣錠の使用、または直接働きかけて女性器の機能復元をサポートするマシンを使って症状を改善・軽減します。

3.外陰炎(がいいんえん)

大陰唇をはじめとする外陰部や膣の入り口に起こる炎症のこと。性交時や排尿時に痛みを感じます。

外陰炎の原因として考えられるのは、下着やおりものシートなどによる刺激、尿道の炎症、ヘルペスなどの性感染症などです。

主な治療法

市販の薬で治る場合もありますが、症状が長引く場合は自己判断せず、医師に相談しましょう。

4.処女膜が硬い(処女膜強靭症)

体質的に処女膜が厚く、性行為でも破れないほど硬い状態のこと。膣の入り口が非常に狭くなるため痛みを感じやすく、セックスへの恐怖・不安感につながることがあります。

主な治療法

一般的に「処女膜切開」という日帰りでできる手術が用いられます。麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんどありません。

5.そのほかの原因

そのほかにも原因はさまざまなものが考えられます。まだセックスの経験が少ない女性は、多少の痛みはしょうがないもの。また、性行為にコンドームを使用しているなら、それが肌に合っていなかったり「ラテックスアレルギー」というアレルギー症状を発症している可能性があります。

昔の性行為に関するトラウマやそのほかの病気…といったおそれもあります。

主な対策法

痛みを伴うセックスは、自分にとってもパートナーにとっても、決して気持ちのいいものではありません。原因が分からない場合は早めに病院を受診して信頼できる医師に相談してください。まだ経験が少ない女性や緊張で濡れにくい体質なら、女性用の潤滑ゼリーを使用してみましょう。ラテックスアレルギーの可能性がある場合はコンドームを変えてみたりするのも◎です。

満行みどり先生のアドバイス

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性交痛の原因の多くは「萎縮性膣炎(いしゅくせいちつえん)」です。

萎縮性膣炎とは、更年期や閉経によるエストロゲン不足の影響で膣粘膜が萎縮・乾燥して、痛みに繋がる症状のこと。また、生理不順やピルの長期服用も萎縮性膣炎の要因となります。

痛みをガマンしてセックスを続けると症状は悪化。セックスに対する恐怖心が芽生えて、セックスレスにつながるおそれもあります。

反対に、適切な処置を受ければ痛みがなくなって、再びセックスの快感を味わえ、パートナーとの関係性を良好に保ち続けられるでしょう。

編集部のヒトコト

セックスの際に膣の入り口が痛いと感じたら、放置せずに婦人科形成の専門医師に相談するのがベストです。

「クリニックで先生に相談するのは恥ずかしい…」「受診するようなことじゃないかもしれないし…」と尻込みしているなら、まずは顔を見られずに話を聞いてもらえる問い合わせフォームを利用してみるのがおすすめ。

ちなみに、今回記事を監修いただいた満行みどり先生が在籍するみどり美容クリニック・広尾は『女性専用』です。在籍するスタッフは全員女性なので、男性にセックス関連の悩みを聞かれたくないという方でも相談しやすいでしょう。

監修

満行(みつゆき)みどり先生

女性器治療に特化した医師

満行みどり医師

みどり美容
クリニック・広尾
満行みどり先生

満行みどり先生は女性器治療に特化した「みどり美容クリニック・広尾」の院長
ビバリーヒルズの専門トレーニング施設でライセンスを取得した日本人女性初の医師でもあり、デリケートゾーンの悩みを抱える患者さんに適切な治療を提供したいと日々尽力されています。

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