かゆみが伴う性交痛
性交の後に、これまでになかったかゆみや痛みがある時、考えられる原因は二つ。更年期による女性ホルモンが影響しているか、感染症であることが考えられます。感染症の場合は、放っておくとパートナーにも移ったり移されたりで悪化する一方となります。いつもと何かが違うと感じたら、早めに対処することが必要です。
ここでは、更年期による女性ホルモンの減少で考えられる、かゆみと性交痛について解説します。
かゆみが伴う性交痛とは
膣のかゆみの原因は、蒸れたりこすれたりすることから起きることが多くあります。膣は、常に汗やおりもので湿っている状態です。そこに、下着やストッキングといった、締め付けてしまうもので1日中覆われていると、蒸れてかゆみに繋がりやすくなります。
このようなかゆみには、清潔に心がけることで軽減することができます。しかし、性交時や性交後に起きるかゆみは、前述したように更年期による女性ホルモンの影響やあるいは感染症が考えられます。
かゆみが起こる原因
更年期になると、女性ホルモンであるエストロゲンの減少が原因で陰部のかゆみが生じることがあります。エストロゲンが減少すると、膣内の分泌液も減ってしまうため乾燥がかゆみを引き起こすのです。また、加齢とともに膣の厚みが低下しヒダが扁平状態となり薄くなっていきます。クッション常体であったものが平らとなるため、乾燥、痛み、かゆみへと繋がっていきます。
このように更年期以降の閉経後には、女性ホルモンが減少することにより、体調にさまざまな変化が現れます。その一つには、これまでよりも膣が委縮してしまうことがあげられます。乾燥・かゆみからくる性交痛の原因は、膣の委縮が原因の一つとなっています。
閉経時期は個人差があり、閉経後どのくらいの期間で乾燥・かゆみ・性交痛を感じるのかは一概にはいえません。なかには、そのような症状がまったくでない人もいます。
対して、膣の委縮については必ず起きうることですが、度合いの強弱は人によって異なります。また、閉経以降多くの女性がなりやすいのが、委縮性膣炎です。委縮性膣炎は、膣の炎症以外にかゆみが生じたり、悪臭が起きたりする場合があります。委縮性膣炎も、性交痛の原因となります。
対処法
前述したとおり、更年期以降、閉経すると膣は委縮していきます。そのことが、性交痛の原因となっている場合があります。対処法は、定期的に性交を行なったり、潤滑剤を使用したりすることで痛みを抑えることができます。
萎縮性膣炎の解消方法には、膣内で減少してしまったエストロゲンを利用する療法があります。婦人科に相談をして治療を行なうようにしましょう。また、ホルモン補充療法を行なうことも膣の弾力性を保たたせるのに良いといわれています。
あわせて、植物性エストロゲンである大豆イソフラボン摂取して、ビタミンDを積極的に摂ることも効果があります。
かゆみが伴う性交痛の体験談
膣が乾燥しかゆみを伴うとともに、性交時にはヒリヒリと痛みを伴います。時には、擦れて出血をしてしまうことも。更年期という年齢的なことも関係しているのかもしれません。このようなことは、簡単に人に相談することができないので、ついつい我慢をしてしまいますが、インターネットで調べていると「医師に相談するとよい」という情報を見つけました。少しでもよくなるように、専門家に相談をしようと思います。
数日前にセックスをしたあとから、アソコが痛痒くて、最初は「傷がついたのかな」程度に考えていましたが、だんだんかゆみが強くなってきました。ここ2日ぐらいはもう我慢できないほどのかゆみです。見てみたらアソコが赤くなっていました。おりものは色がついていますが（黄色っぽいです）、量はそんなにありません。臭いもないので、以前トリコモナスになったことがあるんですが、今回は違うと思います。カンジダはおりものが白いと聞くので、それも違うのかなと…。できるだけ早めに病院に行くつもりですが、不安です。
2日前のセックスから、子宮らへんに痛痒い感覚が残っています。トイレに行くと、チクチクした感覚があり、少量ですが出血もしていました。 実は今回が初めてではなく、以前にも同じような経験があります。そのときは激しくセックスをしすぎたのだなと考えて放置していましたが、同じことがまた起きてしまって心配でなりません。セックス後、寝付けないほどの痛みとかゆみが出る原因って何なのでしょうか。
セックスをしていたら陰部がヒリヒリしたため、途中でやめてもらいました。最初は痛みが強かったんですが、だんだんとかゆみも出てきて、今ではかゆみだけが残っています。本当につらくて、夜なかなか眠れないほどでした。デリケートゾーン用の軟膏を塗ると少し楽になったのですが、やはりかゆみは続いていますし、黄色いおりもののようなものもありました。なにかの病気か、もしかしたら性病かも…と不安でたまりません。
初めてセックスをする前から、ときどき陰部がかゆいことがありました。今の彼とセックスをするようになってから、かゆみを感じることが増えました。かゆみも結構ひどいです。でも、前の彼のときにはかゆくなったことはないので、今の彼とのセックスに原因があるのかなと思います。出血はありませんが、性交痛はあります。バックや立ちバックなど奥に入るような体位が痛くて、あまりに痛すぎて泣いてしまったことも…。かゆみと性交痛は、なにかの病気のサインなんでしょうか。
監修
満行（みつゆき）みどり先生
女性器治療に特化した医師
みどり美容
クリニック・広尾
満行みどり先生
満行みどり先生は女性器治療に特化した「みどり美容クリニック・広尾」の院長。
ビバリーヒルズの専門トレーニング施設でライセンスを取得した日本人女性初の医師でもあり、デリケートゾーンの悩みを抱える患者さんに適切な治療を提供したいと日々尽力されています。