Case6:セックスで出血!?

「処女でもないのに、性行為で出血してしまった」という経験を持つ女性は少なくありません。セックス中、急に血が出ればあなたもパートナーもびっくりしてしまうかと思います。

ここでは、セックス時に出血した経験がある女性たちの声をご紹介。また、婦人科形成を得意とする女性医師・満行みどり先生に監修いただき、セックス時に出血する原因や対処法をわかりやすく解説しています。

セックス時の出血に悩む
女性たちのリアルな声

行為が終わって布団を見ると、いろんなところに血が付いていてゾッとしました。おそらくナカが傷ついたのだと思います。彼の愛撫はいつも激しくて、気持ちいいというより摩擦に耐えるために声が出てしまいます。でも、彼はそれを「感じている」と勘違いしているようです。出血したの今回が初めてでしたが、彼に「痛いからやめて」と伝える勇気が出ません。2日経ってもまだおりものに血が混じっていて不安です。

シーツに鮮血が染みていて、今までこんなことなかったので驚きました。生理前だったので生理の血かなと思ったんですが、サラサラとしていたので生理っぽくなく、またしばらく経って普通に生理が始まったので、結局何だったかが分かりません。彼とのセックスは毎回痛くて終わるまで我慢しているんですが、それも原因の1つだったりするのでしょうか。心配し過ぎかもしれませんが、病院に行くべきか悩んでいます。

30代女性です。ここ1か月ほど、セックスすると出血があります。サラサラとした赤い血が数日出ることもあれば、茶色く濁った血が多少おりものに混ざる程度のときもあります。またセックス後しばらく奥の方がちくちくと痛んだり、尿道あたりがツーンと痛むことも。泌尿器科を受診しましたが、とくに問題はないと言われました。このまま放っておいていいのでしょうか。

セックスするとナカのほうから出血があって、子宮あたりが針で刺されてたような痛みがあります。出血があったのは1回や2回ではありません。今回は久しぶりのセックスだったので傷がついている、というわけでもなさそうです。最初は彼の動かし方や当たっている場所が悪いのかなと思っていましたが、だんだん不安になってきました。セックス中の出血の原因は何なのでしょうか。

出血を伴うセックスの
5つの主な原因

セックスは耐久性の少ない粘膜同士を擦り合わせる行為です。摩擦によって毛細血管が傷つきやすいため、出血を伴うセックスは珍しいことではありません。

ただし、ときには出血が疾病・疾患のサインとなるケースもあります。出血があった場合に考えられる疾病・疾患は次の5つです。

1.萎縮性膣炎(いしゅくせいちつえん)

女性ホルモンの分泌量が減った影響で膣粘膜が薄く弱くなり、炎症が起こっている状態です。粘膜が薄くなっているため、性行為の摩擦で出血しやすくなっています。

主な対処法

ホルモン補充が一般的です。持病や体質的にホルモンが使用できない場合は、マシンによる治療が用いられます。

2.尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウイルス(HPV)による性感染症。このウイルスに感染すると外陰部にイボができ、性交時に擦れて出血することがあります。

主な対処法

外陰部にイボができている場合は、取り除いたり焼いたりする外科的手術で処置されます。

3.子宮膣部びらん

子宮頚部の粘膜が伸び、子宮外にせり出した状態のこと。表皮が薄くて血管が多い粘膜が子宮外に出ているため、性行為のわずかな摩擦でも出血します。

主な対処法

薬物療法やレーザーなどで治療可能です。治療が完了するまでに2~4週間かかります。

4.子宮頸管ポリープ

その名の通り、子宮頚管にできるポリープのこと。子宮の外まで垂れ下がっているため、セックスだけでなく運動時の刺激でも出血する可能性があります。

主な対処法

妊娠中を除き、ポリープを切除するのが一般的です。

5.子宮頸がん・子宮体がん

セックスのときの出血が必ずしも「=がん」というわけではありませんが、がんが原因で出血が起こる可能性はあります。この場合は早期発見・早期治療が必要です。

主な対処法

月経期間以外の出血、性交痛や腰痛、下腹部の痛み、黄色いオリモノなどの症状に心当たりがある方は、子宮頚がんの検査を受けましょう。早期発見できるかどうかによって、受けられる治療の範囲が変わってきます。

満行みどり先生のアドバイス

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治療が必要なケースも。判断に迷ったら受診してください。

セックス時の出血は「さほど問題のないケース」と「治療が必要となるケース」があります。

問題のないケースは、初体験で処女膜が破れることによる出血。また、セックスの回数が少ない人や、閉経前後で膣が萎縮している人は、粘膜がこすれて出血しやすい傾向にあります。出血の程度によりますが、多少の出血は仕方のないもの。基本的には気にしすぎないほうがよいかと思います。

ただし、出血が続いたり、出血の量が多すぎる場合は例外です。病気が潜んでいる可能性が高いため、かかりつけの婦人科を訪ねて検査・治療を受けてください。

編集部のヒトコト

セックスの回数が少ない人や閉経前後で膣が萎縮している人は、膣分泌液の分泌量を増やすホルモン治療を受けて、セックスの痛みや出血を改善するのが一般的です。ただし、ホルモン療法にはさまざまな副作用があります。

ホルモン治療を避けたい、または受けられないという方は、今回監修いただいた満行みどり先生が院長を務める「みどり美容クリニック・広尾」に相談してみてください。マシンを使い、膣の弾力や潤いを高める治療を受けられます。

監修

満行(みつゆき)みどり先生

女性器治療に特化した医師

満行みどり医師

みどり美容
クリニック・広尾
満行みどり先生

満行みどり先生は女性器治療に特化した「みどり美容クリニック・広尾」の院長
ビバリーヒルズの専門トレーニング施設でライセンスを取得した日本人女性初の医師でもあり、デリケートゾーンの悩みを抱える患者さんに適切な治療を提供したいと日々尽力されています。

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