性交痛と子宮筋腫の関係性
※こちらの記事は当サイト運営のヘルスケア編集部が執筆したものです。当サイト監修の満行みどり医師による査収は含まれておりませんことをご了承くださいませ。
性交痛と子宮筋腫の関係とは?
性行為時に痛みを感じる場合、子宮筋腫である可能性があります。子宮筋腫とは、子宮に良性の腫瘍が出来てしまう病気で、性交痛の原因になる病気の一つです。
命に関わるものではありませんが、痛みが続くのは体に良くありません。そこで、子宮筋腫について詳しく説明していきます。
子宮筋腫とは
子宮筋腫とは、子宮に出来た良性の腫瘍のことをいいます。腫瘍と聞くとがんではないかと考える方がいるかもしれませんが、子宮筋腫は良性の腫瘍なのでがんの仲間とはいえません。子宮筋腫は婦人科でもよくみられている腫瘍であり、すぐに手術が必要ということにもなりにくい病気です。
子宮筋腫はエストロゲンという女性ホルモンによって大きくなり、子宮筋腫があっても妊娠することがあります。そのようなケースを「子宮筋腫合併妊娠」と呼び、特に年齢層の高い女性患者が多い傾向にあります。
子宮筋腫になる原因とは
子宮筋腫ができる原因は、まだ解明されていないため分りませんが、エストロゲンという女性ホルモンが関係しているということは知られています。
エストロゲンは、生理が終わる頃から分泌される量が増え、卵胞の成熟を促進する役割を果たします。そして、排卵直前になると分泌量が最大になり、排卵がある期間中は子宮筋腫が大きくなるのです。閉経が近づき、エストロゲンの分泌が低下すると、子宮筋腫も自然と小さくなるようにできています。そのため、子宮筋腫とエストロゲンの分泌は密接な関係にあるといわれているのです。
子宮筋腫の種類
子宮筋腫は、腫瘍の出来る部位によって呼び方が異なります。子宮筋腫の種類は、大きく分けて、筋層内筋腫、漿膜下筋腫、粘膜下筋腫、粘膜下筋腫の4つです。どの種類の子宮筋腫であるかによって、特徴や症状が違います。各種類の特徴を知っておきましょう。
筋層内筋腫
筋層内筋腫とは、子宮の筋肉の中にできる子宮筋腫のことです。子宮筋腫の中でも最もポピュラーなタイプで、子宮筋腫の約60%が筋層内筋腫であるといわれています。腫瘍の大きさはさまざまであり、握り拳ほどの大きさのものもあれば、大豆ほどの大きさのものもあります。
漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)
子宮の表面を覆っている漿膜の下に出来る子宮筋腫のことを漿膜下筋腫といいます。子宮筋腫の約30%がこのタイプです。子宮の外側に向かって、腫瘍が大きくなっていくことが特徴です。
粘膜下筋腫
粘膜下筋腫は、子宮の内壁を覆っている子宮内膜の下にできます。発生頻度は10%であり珍しいタイプの子宮筋腫なのですが、最も症状が表われやすい種類です。
頸部筋腫
子宮の上部3分の2程の位置にある、子宮頸部にできる子宮筋腫のことを頸部筋腫といいます。頸部筋腫は非常に珍しい子宮筋腫で、小さな筋腫の場合は治療せずに経過を観察するケースがくあります。
子宮筋腫の症状
月経痛
子宮筋腫の代表的な症状の一つに、月経痛が挙げられます。一概に月経痛といっても、下腹部の痛みだけでなく、頭痛や発熱、吐き気など、月経困難症の症状も同時に表われることが多いです。
過多月経・過長月経
子宮筋腫になると、月経が10日以上続いたり、大きな血のかたまりがたくさん出たりすることがあります。これは、子宮筋腫になると子宮内が広がることによるものです。貧血の原因にもなるので注意が必要でしょう。
性交痛
子宮筋腫による症状をほとんど感じない場合でも、性交時に痛みを感じる場合は子宮筋腫を発症しているおそれがあります。
貧血
子宮筋腫になると経血の量が増えます。一般的な女性の生理中でも出血によって鉄分不足になりがちですが、子宮筋腫によって経血の量が増えることで、さらに貧血になるリスクが高まります。
腰痛
子宮筋腫は腰にひどい痛みを伴う症状を表すことがあります。立っていられないほどの強い痛み、激しい痛みを伴う方もいれば、鈍い痛みが続く方などさまざまです。
月経痛を伴いやすい方が月経でない期間でも痛みが現れることもあります。
便秘
子宮筋腫は直腸を圧迫するため、便が腸を通過できなくなります。これにより便秘になってしまうのです。便秘になると腸内だけでなく、頭痛や肌荒れなどのほかの体調不良にもつながる原因になるため、早めに解消する必要があります。
子宮肉腫との違いは?
子宮筋腫と子宮肉腫の違いは良性か悪性かの違いです。子宮筋腫の腫瘍は良性ですが、子宮肉腫の腫瘍は悪性と診断されます。
良性の腫瘍は命へ影響を与えることはほとんどありませんが、悪性の腫瘍はリンパ節や肺などの他の器官に転移する可能性があります。
子宮筋腫は経過を見ながら治療していくケースが多いのですが、子宮肉腫と判断された場合は早急な摘出手術を勧められることがほとんど。
現れる症状は酷似しているので、自分で判断するのは難しいといえます。体調に違和感を感じたら自己判断せず、早めに医師の診断を受けましょう。
子宮筋腫はどうすれば防げる?
子宮筋腫が起こる詳しいメカニズムは解明されていませんが、食事や生活習慣などの見直しで予防が期待できます。
ホルモンバランスの乱れも関係していると考えられているので、偏った食生活や生活習慣などを改めてみるのがおすすめです。
肉や魚、乳製品などには子宮筋腫の原因となるエストロゲンが多く含まれています。これらの食品を多く摂りすぎないことも大切です。
ストレスを受けることや冷えなども子宮筋腫を大きくする原因となるので、ストレス解消や冷え対策なども行ってみましょう。
子宮筋腫に似た病気に悪性の子宮肉腫があります。自己判断では見分けがつきにくいため、症状に不安を感じたらクリニックに行ってみることをおすすめします。
監修
満行(みつゆき)みどり先生
女性器治療に特化した医師

みどり美容
クリニック・広尾
満行みどり先生
満行みどり先生は女性器治療に特化した「みどり美容クリニック・広尾」の院長。
ビバリーヒルズの専門トレーニング施設でライセンスを取得した日本人女性初の医師でもあり、デリケートゾーンの悩みを抱える患者さんに適切な治療を提供したいと日々尽力されています。