Case12:騎乗位が痛い…

「騎乗位が痛い…」「ほかの体位は痛くないのに…」と悩んでいる女性に向けて、騎乗位で性交痛が生じる原因や対策法をまとめました。また同様の悩みを抱える女性たちの声も紹介しています。

騎乗位が痛い…悩む女性たちのリアルな声

騎乗位で奥のほうを突かれると、下腹部のほうが痛みます。気持ちよくないし、できればしたくないなんですが、痛いと彼に言い出すタイミングが分からなくて、なかなか伝えられません。ネットで調べてみたら同じように性交痛がある方が多くてびっくりしました。なかには子宮あたりの病気…というコメントもあって、余計に不安です。

正常位やバックは普通にできるのに、騎乗位だと痛くて困っています(以前は騎乗位もそんなに痛くなかったんですが…)。ネットで少し調べてみましたが、不正出血もないし、婦人科に行くのは抵抗もあって、まだ受診できていません。でも子宮とかの病気だったら…と思うと不安になります。

騎乗位でエッチすると、肛門の奥あたりが痛みます。ガマンできないほどではないし、バックでしても痛くないので大丈夫だと思うんですが、エッチから数日はお腹が張っている気もしました。前に婦人科に行ったときは問題は見つからなかったので、子宮内膜症や子宮筋腫ではないと思います。

騎乗位が痛い原因

奥への刺激が強い・挿入が深くなりやすい

最も考えられる理由は、単純に「奥を突き上げられるから」です。騎乗位は男女ともに、奥に当たる感覚が強い体位です。また騎乗位は男性側がピストン運動しやすい体位であり、挿入が深くなりやすいです。

そもそも男性は、本能的に精子を卵子の元へ届けなくてはという心理があり、どういった体位であってもなるべく奥で出したいという考えが働きます。そのため、より奥へ出しやすい騎乗位の場合、その動きが活発になりやすいのです。

またオナニーに慣れてしまっている男性の場合も、ピストン運動が激しくなりやすいので要注意。女性の膣による刺激では、手でマスターベーションをするときと比べて物足りず、激しくピストン運動することで、その物足りなさを埋めようとすることがあるためです。騎乗位なら尚更痛みが生じやすいので、さりげなく別の体位に変えたり、正直に伝えて挿入を浅くしてもらったりしましょう。

うまくピストン運動できていない

最近、腰を振るという動きに慣れておらず、うまくピストン運動ができない男性が増えていると言われています。腰ではなく、女性を揺さぶるように動かしてしまうため、膣や子宮口に負荷がかかりやすいのです。

また、これは女性にも言えること。騎乗位の動きに慣れていないうちは刺激が強くなり過ぎる可能性があります。日頃から体を動かして筋力をつけたり、騎乗位をする際は男性に支えてもらったりして、刺激が強くなり過ぎないように注意しましょう。

筋力不足によって体を支えられていない

無理なダイエットをしたり、日頃あまり運動を行っていない女性は筋力が不足している傾向にあり、自身の体重を支えながら腰を動かさないといけない騎乗位は、負担がかかりすぎる可能性があります。自身の体重を支えられず、また下からの男性のピストン運動によって子宮口が広がりやすくなっており、子宮口に深く当たってしまって痛みを誘発しているのかもしれません。

騎乗位が痛いときの対策方法

男性に腰を支えてもらう

騎乗位の痛みを軽減する最も手軽な方法は、男性に腰を支えてもらうことです。騎乗位で痛みを感じる女性は、子宮口が広がりやすい傾向があります。腰を支えてもらい、子宮口付近まで深く挿入されるのを防ぐことで、騎乗位の性交痛をを改善できる可能性があります。

騎乗位の際の体勢を工夫する

騎乗位の際、身体を前に倒して、男性と抱き合うような体勢をとるのも有効的です。この体勢なら男性の可動範囲が狭くなるため、激しいピストン運動は行えません。一方で女性側は動きやすくなるため、挿入の深さや角度をコントロールでき、痛くなく気持ちいい範囲で動かすことができます。

ただ男性側が動きづらく、また女性の顔や身体を見ながら行為に及ぶことができないため、少し不満に感じてしまう方もいるかもしれません。

まずは腰を支えてもらう、男性の動きが激しくなってきたら体を前に倒して抱き合うような体勢をとる、少ししたら騎乗位から体位を変える…などの流れを意識すると、お互いに不満を感じず済むでしょう。

編集部のヒトコト

騎乗位は奥側に当たりやすいため、痛みが出やすい体位です。性交痛をガマンするのはよくありません。痛みをガマンしているうちに、性行為に対して後ろ向きになってしまう可能性もあります。どちらかが耐えるのではなく、お互いに気持ちよくなれるように工夫することが大切です。正直にパートナーに話して騎乗位を控えたり、一緒に対策法を試してみたり、挿入を浅めにしてもらったりしましょう。

上で紹介した対策法を試しても痛みが軽減されない場合や、あまりに強すぎる痛みがある場合は子宮内膜症や子宮筋腫といった病気の可能性も考えられます。婦人科・産婦人科を受診して、きちんと医師の診断を受けてみたほうがよいでしょう。

また騎乗位以外の体位でも性交痛がある場合は、性交痛治療を検討してみるのがおすすめです。最近ではさまざまな性交痛治療が登場しており、レーザーや高周波などの照射系施術やヒアルロン酸を注入する注射系施術など、気軽に受けやすいものも増えています。年齢や症状によって最適な治療法は異なりますので、詳しくは性交痛治療に長けた婦人科で相談してみてくださいね。

監修

満行(みつゆき)みどり先生

女性器治療に特化した医師

満行みどり医師

みどり美容
クリニック・広尾
満行みどり先生

満行みどり先生は女性器治療に特化した「みどり美容クリニック・広尾」の院長
ビバリーヒルズの専門トレーニング施設でライセンスを取得した日本人女性初の医師でもあり、デリケートゾーンの悩みを抱える患者さんに適切な治療を提供したいと日々尽力されています。

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