Case8:挿入が怖い…

大切なパートナーとのセックス。相手を受け入れたい気持ちはあれど、いざ挿入するとなると怖くなって好きな相手と繋がれずにいる女性は少なくありません。挿入に恐怖を感じる女性の中には、「過去の不幸な体験が原因で、挿入に恐怖や嫌悪感を抱いてしまう」という悩みを持ち、自己嫌悪に陥ってしまう人もいます。

ここでは「挿入が怖い」と悩んでいる女性たちの声をご紹介。また、婦人科形成を専門とする女性医師の満行みどり先生に監修いただき、挿入が怖いと感じてしまう原因や対策を解説しています。トラウマと恐怖心を取り除き、大切なパートナーの体と結ばれるお役に立つ情報となれば幸いです。

挿入が怖いと感じる女性たちの声

挿入されるのが怖い私は、おかしいのでしょうか。前の彼氏は付き合って1年が経過しても私が挿入を拒否したので、無理やり先っぽだけでも挿れようとしてきました(そのあと強く拒否したら諦めてくれましたが、しびれを切らしたのか別れました)。今の彼氏はとても優しくて、指で丁寧に慣らしてくれて、何とか指は入るようになりました。でも、やっぱり挿入は怖くて途中でやめてもらいました。こんな私でも、いつかきちんと挿入できる日はきますか?

大学生のとき、仲が良かった異性の友人にレイプされました。そのときの恐怖や痛みが原因で、今でも男の人の体を見るのが怖いです。付き合っている彼もいて確かに大好きなのに、いざセックスとなるとあの時の恐怖がフラッシュバックしてしまい、体が硬直してしまいます。彼は待っていてくれるし、「無理しないで」とも言ってくれますが、そんな優しい彼に応えられない自分に自己嫌悪してしまいます。

何度かチャレンジしたことはありますが、未だに処女のままです。お付き合いしている男性とそういった雰囲気になっても挿入が怖くて、入口あたりにグッと押し付けられるだけでも痛くて拒絶してしまいます。彼は「いいよ、無理しなくて」と言って待ってくれますし、今のところ手でシてあげたりフェラで対応したりしていますが、将来のことを考えると心配でいっぱいです。

結婚して3年になる旦那がいます。昔は私のほうが彼とシたい気持ちが強かったんですが、結婚を経てその関係性が逆転しました。旦那が求めてくることを最近つらく感じます。挿入の際は怖いと思ってしまい、全く挿れることができなくなってしまいました。スキンシップは全然構わないし、オーラルセックスもできるのですが、いざ本番となると恐怖心が出てきます。旦那にはきちんと応えたいのですが、何か解決策はないのでしょうか?

※とてもデリケートな話題なので、ご本人が特定されないためのフェイクを入れています

挿入に恐怖を感じる主な原因

セックスに関するトラウマ(心的外傷)

「セックスが怖い」と思ってしまう原因は、過去の性的な体験によるものが圧倒的に多いです。 例として、次のようなケースが挙げられます。

  • 彼氏や夫に乱暴なセックスをされた
  • 知らない人にレイプされた
  • 望まないセックスを強要された
  • 幼い頃に性的ないたずらをされた
  • 痴漢やストーカーなどの被害・性被害
  • 「胸や足をまじまじ見られる」「直接的な言葉を投げつけられる」といったセクハラ被害

これらの体験がトラウマとなっている場合、表面上では過去の体験を払拭しているつもりでも、心の奥ではセックスを「怖いもの」「痛いもの」「苦しいもの」「汚らわしいもの」と感じています。そのため、いざセックスの場面になると心が拒否反応を起こし、体が緊張して痛みを感じてしまうのです。

また、行為がきっかけで過去の体験がフラッシュバックして、快感を得るどころではない状況に陥ることもあります。

主な対処法

そういった恐怖心は、心のケアで改善できる場合があるため、諦めずに心療内科などの専門医に相談してみてください。

満行みどり先生のアドバイス

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心の治療を提案します。

心因性の痛みはとても繊細な問題です。過去につらい体験があるのなら、セックスに恐怖や痛みを感じてしまうのは当然のこと。たとえ、他の人からすると些細な言動だったとしても、あなたの心に深い傷を残し、セックスに支障が出ているのなら、それは正真正銘のトラウマです。

まずは原因となっているトラウマを克服するべく、心療内科やカウンセラーのもとで心の治療を検討してみましょう。

治療やカウンセリングを受けたからといってすぐに改善するわけではありませんが、性に関する悩みや不調は女性のQOL(Quality of life:生活の質)にも大きく影響します。他人に話しづらいことだと思いますが、それで今後のパートナーとの生活がよりよいものになる可能性があるので、勇気を出して治療を受けてみてください。

編集部のヒトコト

ほとんどの場合、挿入の恐怖心にはトラウマが影響しています。しかし、中には挿入の痛みに耐えられず、恐怖を感じている女性もいるようです。その場合は、トラウマ以外の原因が考えられるため、婦人科や婦人科形成クリニックを受診してみてください。

もし「セックスの話は面と向かってしづらい」「誰にも知られたくないから婦人科に行きたくない」という方は、顔を見られないお問い合わせフォームを利用して相談してみるとよいでしょう。

監修

満行(みつゆき)みどり先生

女性器治療に特化した医師

満行みどり医師

みどり美容
クリニック・広尾
満行みどり先生

満行みどり先生は女性器治療に特化した「みどり美容クリニック・広尾」の院長
ビバリーヒルズの専門トレーニング施設でライセンスを取得した日本人女性初の医師でもあり、デリケートゾーンの悩みを抱える患者さんに適切な治療を提供したいと日々尽力されています。

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