【女性医師監修】膣ケアのために私たちがしてること。これって正しいの?
多くの人が思いつく、主な5つの「膣ケア」。その効果や正しいやり方を紹介するとともに、それらが性交痛改善にどのように影響するか、婦人科形成の専門医・満行みどりの見解もお伝えします。
性交痛や膣の老化に悩まされている人がいる一方で、最近では、これらの症状を防ぐためにセルフケアを行う女性たちも増えています。市販製品も、セックスの痛みを和らげるローション、膣の若返りに良いサプリメント、グッズまでその種類はさまざま。
これらのセルフケアについて、婦人科形成の医師・満行みどりが、専門医の観点から主な効果や正しいやり方・器具の使い方をお伝えします。今からケアを始める方は参考にしてみてください。
私たち、セックスで痛くないように
こんな対処しています!
ローション使用で性交痛改善
Q:私が濡れにくい体質なので、セックスの時は毎回ローションを使っています。滑りやすくはなるのですが、私は時々痛みを感じるので、続けていいのか不安です…。
満行みどり医師の回答
楽しみの一環としてローションを使うのは良いですが、性交痛の改善が目的なら、正解はローションではなく保湿成分から作られた「潤滑ゼリー」を使うことです。
ローションは、そもそも男性の自慰用に作られたもの。水を含むことでヌルヌルする性質を持っているため、膣に塗ることで、かえって膣内の乾燥を招いたり、炎症を起こしたりする可能性もあります。
エクオール摂取で性交痛改善
Q:ちょうど更年期になった頃、性交痛が出始めました。婦人科で相談したところホルモン治療をすすめられ、それはちょっと…と断ったら「エクオールがいい」と言われました。更年期の性交痛にもこのエクオールは効くのでしょうか?
満行みどり医師の回答
エクオールには女性ホルモンであるエストロゲンとよく似た働きがあります。女性ホルモンが分泌されれば、更年期の症状を和らげることは確かです。
ただし、エクオールが性交痛そのものに効果があったというデータは今までありません。当院では、ホルモン治療のような副作用のない他の治療法も複数ありますので、そういった治療と併用して更年期の症状を抑えるのに使うにはよいと思います。
コラーゲン摂取で性交痛改善
Q:膣の老化ってつまりお肌とおなじコラーゲン不足が原因と聞きました。コラーゲンを摂れば、膣もぷるぷるになり、こすれたり引き連れたりするような痛みも減りますか?
満行みどり医師の回答
年齢を重ねると、お肌と同様に膣も乾燥しやすくなります。その主な原因となっているのが、コラーゲンの欠乏です。
ですので、膣の若返りのためにコラーゲンを摂取するのは効果的。ただし、食事やサプリメントだけではなかなかすぐに効果が出ませんので、早期に症状を改善したい場合は、膣内部のコラーゲン生成を直接促すレーザー治療などを受けるのがおすすめです。
オナニーで膣若返りからの性交痛改善
Q:ちょっと恥ずかしい話になりますが、「自慰で膣が若返る」「老化を防止できる」といった話を耳にしました。信じがたいのですが、本当なのでしょうか?
満行みどり医師の回答
膣の若返りには、マスターベーションは、ないよりはあった方が良いかもしれません。
加齢とともに「膣萎縮」といって、膣の入り口~内腔が狭くなり、性行為が困難になる減少があります。そのため、グッズで良いので、何かしら膣内に定期的に挿入し内腔(内側の空間)を確保していただくことで性交困難を防ぐことが可能です。
ただ「年齢を重ねた女性の性交痛の改善」という観点から言えば、老化による膣の乾燥を防ぐ必要があるため、潤い成分を補給するケアも大切になってきます。
膣トレで性交痛改善
Q:「膣トレ」というものを知り、通販で専用のグッズを買って、一人の時などにトレーニングしてします。でも地味すぎるし、セックスの痛みもあんまり引いてないし、デマかなって気がしてきました…。
満行みどり医師の回答
年齢を重ねた方の「緩み」には膣トレが効果がありますが、残念ながら膣トレでは膣が潤わないため、乾燥による性交痛には効果がないと言えるでしょう。
ただし、膣が引き締まることで感度が上がり、潤いが増す可能性はないとは言えません。緩みが原因で性生活にお悩みがある人には、クリニックでも膣トレをおすすめしています。とくに骨盤底筋を鍛える体操は、治療と並行して行うと効果的!
ちなみに、力の入れ方には効果を倍増させる「コツ」があるんですよ。クリニックでもやり方を指導していますので、お気軽にご相談くださいね。
監修
満行(みつゆき)みどり先生
女性器治療に特化した医師

みどり美容
クリニック・広尾
満行みどり先生
満行みどり先生は女性器治療に特化した「みどり美容クリニック・広尾」の院長。
ビバリーヒルズの専門トレーニング施設でライセンスを取得した日本人女性初の医師でもあり、デリケートゾーンの悩みを抱える患者さんに適切な治療を提供したいと日々尽力されています。